「営業に心理学はつきものだよね!」と最近では職場でも話題になりますが、実際に営業活動に心理学が役に立つのか?
結論から申し上げると、心理学を応用したコミュニケーションを活用することはすぐに応用は難しいいという感じです。
心理学を学び、実際に営業に活かすには訓練が必要でしょう。
ですが、訓練を終え心理学が自分の中に身に付き会話の中にナチュラルに組み入れることができるようになれば間違いなく有効な手段と言えます。
心理学と言うぐらいですから奥が深いです。ツボを押したら肩こりが楽になるように、心のツボを押せば親近感や購買意欲を掻き立てるアプローチが出来るようになります。
そうなると優位に営業を運んでいける可能性が上がることは当然ですよね。
今回の記事ではそんな心理学を応用した営業のコツを紹介していこうと思います。
目次
営業に使える心理学ってあるの?
心理学を応用した営業は書籍でも多く存在します。
心理学とは非常に奥が深く、メンタルダウンをしてしまった方への心理療法だったり、他にも今回紹介するセールスに応用した心理学など幅が広いです。
セールス心理学というよりも、例えば距離を縮める為の心理学を活用し、相手と心の距離を縮めていく。結果的に距離が縮まった為にこちらの要望を受け入れやすくなる。など、人間関係の為の心理学だったり、反対に商品が欲しくなる為の心理学だったりと種類は豊富です。
営業現場で使える心理学5選を紹介

ネットなどに掲載されている心理学は多数存在しますが「これは使えないんじゃない?」と感じる内容もあったりします。
今回はしっかりと使える現実味のある心理学を紹介しようと思います。
①:決定回避の法則
これは有名な行動心理学です。知ると知らないでは大きな差を生みます。
人は選択肢が多い方が一見は良しとされると思いますが、実際は選択肢はある程度絞った方がいいのです。
社会心理学者のシーナ・アイエンガーの論文に掲載されたものです。営業、セールス、マーケティングに携わる職業の方は一度は聞いたことがある心理学ではないでしょうか。
シーナ・アイエンガーがある実験を行いました。ジャム実験というものです。
ジャム実験は日にちを分けて”24種類のジャム”と”6種類のジャム”を売ったところ、6種類のジャムの方が購買率が高い結果が出たそうです。
24種類のジャムは試食率が約60%。高い数値ですが、購入率は3%にとどまります。
一方で、種類を減らし6種類のジャムの試食率は40%。しかし購入率は30%と非常に高い数値となったのです。
選択肢を多く用意することはお客の為に良かれと思ってやったことですが、返って購買率を大幅に下げていたわけです。
興味を抱いても購入までには発展しない心理が生まれるということですね。
②:返報性の原理
返報性の原理とは、相手から好意を抱いた行動を起こされるとお返しがしたい心理が働くことを言います。営業の現場では非常に役に立ちます。
例えば、大好きな友人からプレゼントをもらった際に強くに記憶に残りませんか?またお返ししたいという気持ちが働くことはありませんか?
友達からふと「これ美味しいから食べてみよ」とお菓子を手渡される。もらってみると食べてみると非常に美味しかった。
僕は「じゃあ今度は僕が大好きなお菓子を食べてもらおうかな」との気持ちが働いてしまう。
返報性の法則は誰にでも当てはまるのです。例えばお菓子をもらうような小さなことでもです。
これは自分が強く困っていればいるほど発動する感情です。自分が仕事で窮地に立たされた時、助けてくれた同僚がいたとします。すると、何としてもこの感謝をお返ししたいという気持ちが湧いてくるでしょう。
- スーパーで試食品をもらうと買ってしまった
- 歯医者へ行き歯磨き粉のサンプルや歯ブラシをプレゼントされる
- 飲食店のおばちゃんが大盛りのサービスをしてくれる
- SNSでいいねを押されると押し返す
- 自分の悩みを打ち明けると相手も打ち明けてくれる
返報性の原理は日常に潜んでおり、営業のコツとしても十分に役に立つ心理学です。当然、営業現場でも返報性の原理は活躍します。
営業の現場で返報性の原理を使おうと思えば項目はいくつかあります。
- 情報の返報性の原理
- 行動の返報性の原理
2-1.情報の返報性の原理
相手に「なるほど、良いこと聞いたな!」と思ってもらえるような情報をプレゼントすることです。体調が思わしくない社長などがいたら、健康情報を見つけ伝えてあげる、良いお医者さんの紹介などいいかもしれません。
2-2.行動の返報性の原理
顧客にメリットのある行動を起こすことです。
何でもない小さな用事でも積極的にこちらから出向き「こんな用事で来させて悪かったなぁ」と思ってもらうことです。
お返ししたいと感じてもらえる気持ちが積み重なれば必ず信頼関係は構築できます。
③:ドア・イン・ザ・フェイス
譲歩的な依頼をしていく手法です。
例えば、無料トライアルやサンプルのプレゼントなどがその典型です。
<活用事例>
高額商品や商品を手に取って見られない場合は購入を躊躇することもあります。購入へのハードルが高いわけです。
ここでフット・イン・ザ・フェイスが使われます。
「まずは無料サンプルを使用してみて下さい」「2週間のお試し期間を利用して下さい」とハードルを徐々に下げていきます。
④:バンドワゴン効果
「みんなが使っているから安心だ」「流行っているからほしい」など大衆が良いと感じるものは良いものだと感じていしまう心理をいいます。
「顧客満足度NO1」などと言われると気になってしまいますよね。ランキング形式にされていることもまたバンドワゴン効果とも言えます。
決定回避の法則とバンドワゴン効果を掛け合わせればかなり強力な威力を発揮しますね。
行列が並んでいるラーメン店を見ると「ここは美味しいお店なんだ。いつか行ってみたいな」といつか行きたいお店候補になりますよね。
営業でもこの手法は使えます。
この商品はありがたいことに満足度は非常に高いですね。僕がこの辺りのエリア担当になって見させてもらっていますが、かなりのお客様に使っていただいていますよ。
ここまで皆さんに商品を使っていただいているので、僕としても自信をもっておすすめ出来ます。
この一言を添えるだけで大きく心が揺らぐと思います。
⑤:権威への服従原理(ミルグラム効果)
身体に異変を感じ体調不良が起こった場合、僕たちは医者にかかります。
診察してもらいお医者さんに「全く問題ありませんよ」と言われると急に体調が改善してきた。なんて経験ありませんか?
僕たちは権威のある(医者、弁護士、専門家)の言葉は何も疑わず盲目的に従う傾向があります。
これは営業にも使えます。「専門性のある人」と認識してもらうことが出来れば相手から強力な信頼関係を構築することが出来ます。
信頼を作るためには嘘はいけません。しっかりと根拠のある説得や説明が出来るように普段から知識を蓄えることが必要です。
トップ営業マンはコミュニケーションスキルも豊富ですが、同時に広い知識を持っています。
一般の営業マンが権威をつけるには「圧倒的な成績を上げること」「圧倒的な専門知識を持つこと」の2つでしょう。
営業に心理学を使う際に気をつけたいポイント

心理学を使えば営業がスムーズに行くかと思いきや、気を付けなければいけない点もあります。
今回紹介した心理学はセールススキルを高める為のものです。営業に最も大切なのは信頼関係を築くことで、一過性の信頼の為に使うものではありません。
長期に渡って信頼関係を構築していこうと思えば誠実な対応が一番です。営業の基本的に使えるコツをまとめた記事もありますので、是非読んでみて下さい。
関連記事「完全攻略!営業のコツを1ページに余すことなくまとめてみた」です。
ドア・イン・ザ・フェイスを活用しようとしても信頼関係が無ければ「高いからやめるよ」と言われればお終いです。せっかく学んだ心理学も失敗します。
「もうちょっと安くしてよ。だったら検討の余地があるからさ」と信頼関係がベースにある状態で心理学を用いればこそ学んだ心理学も効果を発揮します。
むやみやたらに心理学を使い誘導しようとすることはおすすめ出来ませんので経験と共に少しづつコミュニケーションの中に取り入れてみて下さい。
営業に使える心理学が学べる本を紹介
僕は営業スキルを高めるために心理学を学びました。多くの書籍を貪り読む中で使える本と使えない本があります。
先程話した「これいきなりやっちゃったら相手は引いちゃうよ」なんて内容が盛りだくさんだったり「はぁ~、このスキルはマジで使えるわ」とテンション爆上がりの内容があったり。
僕が心からおすすめする本を紹介しようと思います。
クロージングの心理技術21(ドルー・エリック・ホイットマン)
絶対に営業マンは購入した方がいい一冊。クロージングの技術がこれでもかと書かれています。
クロージングまでは上手い営業マンは多く存在します。距離を縮めることが得意だったり、雑談で相手を楽しませたり。
関係構築を得意とするも、クロージングの技術が低い営業マンは多く存在しますの。このクロージングの心理技術は21は人間の根源的な欲求を解説しています。
根源的な欲求の中の一つである「快適に暮らしたい」という欲求がありますが、この欲求を刺激します。
この快適に暮らすという欲求をフルに刺激していくのです。商品を購入するにはいかに感情を揺さぶるかが勝負ですからね。最高の営業は「買ってください」ではなく「売ってくれ」と言ってもらうことです。
この本にはクロージング技術が網羅されていますので、おすすめですよ。ちょっと割高ですが余裕で回収でき、どこでも通用するスキルが手に入ると考えると安いものです。
90日間の返金保証もついているので、パッと読んで合わなければ返品すればいいのでリスクゼロです。僕はバイブルとして活用しているので、今はもう無いですが購入した手の頃はカバンの中にいつも入れてました。
現代広告の心理技術101(ドルー・エリック・ホイットマン)

コピーライターへの本なのですが、営業マンでも十分使えます。というか物を売る全ての人が使える内容です。
この本を読むまでは今までの時間は何だったのだろうか。と落ち込むほどです。この本を擦り減るまで脳に叩き込み営業に回っていればもう2年ほど早く支店トップ営業マンになっていたと思います。
「人はどのように考え商品を購入するのか?」その具体例が随所に散りばめてられており科学的に改名されています。
「この洋服着たらすげーかっこいいですよ。似合ってます」と「この服着たら絶対モテますよね。周りの男性よりもずば抜けてます」この二つの言葉、どちらが商品を購入したくなりますかね?
ってな感じです。
結論「営業に心理学は有効である」
営業初心者の方が「まずは心理学を学ぼう!」と考えるのは少し早いかもしれませんが、徐々に慣れてきて営業職を理解できたら徐々に勉強を始めてみたらいいですね。
トップ営業マンは意識しているか無意識か分かりませんが、本日紹介した心理技術を少なからず応用しています。
逆に言えば勉強すれば誰にでもトップ営業マンなれるということです。毎日の営業ライフが充実するようになると幸いです。
コメントを残す